プロジェクトを運営する上でとても重要になってくるPDCAサイクルですが
OBPMの機能を利用することでPDCAサイクルを可視化し、今後のプロジェクトに役立てる事が出来ます。

1.計画(Plan)

 プロジェクトを運営する際、最初に行うのが計画です。
 計画は「プロジェクトが正常に終結するために、いつまでに誰がどんな事をするか」を決めるものです。これが無くてはDoに移行できません。
 OBPMでの代表的なPlanには下記があります。
 ①作業/成果物スコープ
 ②スケジュール
 ③リソースヒスト
 ④実行予算

①作業/成果物スコープ

 プロジェクトの納品物や成果物は顧客との取り決めで決定し、必ず守らなければならないものの1つです。スコープが定まっていないプロジェクトは納品後に
トラブルになります。OBPMでは「工程タスク成果物登録」を利用して管理し
工程・タスク毎に成果物を登録します。
 ◯成果物名:納品物(成果物)を登録します。
 ◯保管先:納品物(成果物)を保管場所を登録します。開くボタンでフォルダを開きます

②スケジュール

 スケジュールを決めることも重要です。プロジェクト立案時にはマスタスケジュールを引き、プロジェクトの詳細が決まるにつれより詳細なスケジュールに落としていきます。
 OBPMでは「ガントチャート」を利用して管理します。

③リソースヒスト

 リソースヒストは「誰が」「いつ」「どれくらい」稼働するかを計画するものです。計画は「人月」「人日」「人時」のいずれかで計画します。通常の山積み方式と異なっているのが、「どの工程で稼働するか」を決めることで、工程毎に採算を確認することが出来ます。

④実行予算

 最後は実行予算の作成です。リソースヒストを作成すると、実行予算はすぐに
作成出来ます。見積方法「リソースヒスト」を選択すると、③で作成したリソースヒストを集計し、登録されている単価から原価を算出します。

 画面からは計画書も出力可能です。

これで、プロジェクトを実行する計画が作成出来ました。
プロジェクトの実行プロセスに移ります。

2.実行(Do)

 計画に沿ってプロジェクトを進めていきます。
 OBPMでの代表的なDoには下記があります。
 ①工数入力
 ②ガントチャート(進捗登録)
 ③障害管理
 ④プロジェクト別採算管理
 ⑤進捗報告管理

①工数入力

 日々、どんな作業で何時間稼働したかを工数として入力します。
 毎日入力することで、「原価の消化具合」「計画工数との差異」をリアルタイムに且つ正確に把握すること出来ます。

②ガントチャート(進捗登録)

 作業が進んだらタスク毎に進捗を登録します。進捗はタスクにパーセンテージで入力出来ますが、予めマスタを設定しておくとプロジェクトメンバ全員が同じ指標で進捗登録可能な為、90%シンドロームの防止に繋がります。

③障害管理

 バグトラッキングとして用意されているのが障害管理機能です。
 テスターが起票し、PLやサブリーダーなど有識者が障害を認定します。
 認定されたらプログラマが修正し、最終的にテスターが修正後確認を行います。

④プロジェクト別採算管理

 プロジェクトに計上された原価は1画面で確認が可能です。
 労務費・外注費(一括・工数)・経費・材料費毎に集計され、月別の採算を確認することが出来ます。OBPMではプロジェクト毎に計上区分を「完成基準」「進行基準」から選択することが出来ますが、完成基準にしていても「進行基準」での採算確認が出来る仕組みになっています。これも特徴の1つです。

⑤進捗報告管理

 PM・PLは会社や上司に対して、定期的にプロジェクトの状況を報告しなければなりません。定性的な報告は左のフリーフォーマット欄、定量的な報告は右の数値欄で報告します。進捗・品質・採算は報告時に各データから自動で集計されます。

これらの機能を利用し、プロジェクトを運営しました。
次はプロジェクトの終結後に実施するフェーズです。

3.評価(Check)

 プロジェクトが完了すると評価をします。コスト・品質・スケジュールは当然ながら〇〇機能で障害は多発したのはなぜか?リソースを追加投入したのはなぜか?
 など計画と異なる結果になった事象に対して分析を行い評価することが重要です。
 評価することで、次のプロジェクトでどう改善すれば良いかを決めることが出来ます。
 OBPMでの代表的なCheckには下記があります。
 ①マイルストーン管理(品質基準設定)
 ②プロジェクト完了報告
 ③メンバスキル評価

①マイルストーン(品質基準設定)

 プロジェクト完了時には「出荷判定」や「稼働判定」を実施する事があります。
 スコープに定義されているプログラムは全て完成しているか。品質は問題ないか。など、色々な観点で納品出来る状態となっているかを確認するものです。
 品質基準設定機能を利用すると、部署やチーム毎に設定した統一基準に乗っ取って評価することが可能です。また、当機能は第三者部隊(品質管理やPMOなど)が主体となって実施するのが望ましいと思われます。
出荷判定がプロジェクトの当事者のみで開催されても意味が有りません。
また、品質基準はどのタイミングでも実施することができます。
例えば工程の切り替わりの「次工程判定」や月1回の「定期品質判定」などです。

②プロジェクト完了報告

 プロジェクトの顛末や反省をプロジェクト毎に残すことで、次のプロジェクトで同じ失敗を繰り返さないようにします。PM・PLがメンバと話し合い反省点をまとめます。

③プロジェクトメンバスキル評価

 完了報告のタイミングでメンバのスキル評価を実施します。
 メンバ毎に得意な事と苦手な事が必ずあります。これを適切に評価することで
この人は何をスキルアップすれば良いか。この人はどんな作業で能力を発揮するかが明確になり、教育や作業担当の割当時に役立ちます。

これで評価まで終わりました。最後に次のプロジェクト同じ失敗を繰り返さない為にどうしたら良いか考えます。

4.改善 Action)

 プロジェクトを評価したので、次のプロジェクトに移る前にこれからどう改善するか考えます。改善しなければ評価した意味がありませんし、同じ失敗を繰り返します。
 OBPMでの代表的なActionには下記があります。
 ①ドメインマスタの見直し
 ②品質基準の見直し

①ドメインマスタの見直し

 OBPMでプロジェクトを作成する場合は必ず「ドメイン」を指定します。
 ドメインとはプロジェクトのベースとなる雛形です。例えば受託開発プロジェクトの雛形であれば、「要件定義」「基本設計」「詳細設計」「製造」「結合テスト」「総合テスト」などが一般的なウォーターフォールの工程ですが、これを予め設定しておけばプロジェクト毎に工程を作成する必要がありません。
 また、次工程判定時に利用する品質基準や、プロジェクトで想定されるリスクを登録しておくことで過去のプロジェクトでの反省を活かす事が出来ます。
 ドメインは部署やプロジェクト規模、製品毎などで作成します。

②品質基準の見直し

 Checkフェーズでプロジェクトの失敗要因を考えたので、その要因を判定指標に盛り込みます。ミスが多い作業や不具合があった場合にインパクトが大きい要素があれば全てここに記載し、次のプロジェクトの判定時に必ずチェックします。
 チェックが通らなければ、次の工程に進むことは出来ません。PMOや品質管理部隊はこの機能を用いてプロジェクトの品質を監視しなければなりません。

いかがでしたか?
どの企業でもPDCAサイクルのPとDは必ずやっていますが、CとAが疎かになっているケースが多いです。重要なのは「評価」と「改善」です。
OBPMで健康的なPDCAサイクルを実現してください。