では今度は、ルールについて掘り下げてみましょう。

 ルールには粒度があります。

 全社ルール、事業部ルール、部門ルール、グループルール、プロジェクト内ルールといった形で、右にいくにつれて小さい組織単位になります。

 そして、右にいくにつれて具体的なプロジェクト管理ルールを決めていくことになりますが、そのルールは左側にある、より大きいルールと矛盾してはいけません。

より大きい「ルール」に包括されているイメージ

 例えば、全社方針で「粗利率を遵守する。許容範囲は、当初実行予算粗利率の-5%まで」というルールがあったとします。その上で、部門で「粗利率の許容は-7%まで」というルールを作ってはいけないのです。もし例外があるのであれば、その例外を全社機関で認めてもらい、全社ルールとして例外条件を明記するか、全社機関で承認された部門ルールを作成しなければなりません。

 なぜならば、許可なしにルールを逸脱すると、ルールの形骸化(決まりとして定義してあるが守られておらず、ルールとして機能しない状態)を招きます。また、全社ルールはしかるべき機関(関係部門、PMO組織、委員会など)で決定し、それらが守られているかを管理監督する必要があります。

 ルールは作っただけで守られると考えず、特にプロジェクト管理については主管業務と比較して後回し、蔑ろにされることを前提に運用設計を進めると良いでしょう。 また、混乱を招かないようにするため、基本的に書いていないルールは全社ルールに則るというように包括されていることを強調しましょう。


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