マイルストーンはプロジェクトの中間目標のことでいわゆるチェックポイントです。
 OBPMでもマイルストーンを設定することができ、次工程に移る際や出荷判定時統一指標にできます。
 スケジュールが登録されているガントチャート上から簡単に登録できるものであるため利用にあたり教育などしなくても直感的に操作できるようになっています。
 今回はマイルストーン機能の上手な利用方法を紹介します。

利用機能
マイルストーンを設定する上で利用する機能は下記になります。
①品質基準登録
 →マイルストーン設定時に登録する統一指標をマスタとして登録します。
 
②マイルストーンタイプ設定
 →マイルストーンの種類を設定します。(社内・社外など)
 
③マイルストーン設定
 →スケジュール上にマイルストーンを設定します。工程毎に設定可能です。
 
④品質基準設定
 →マイルストーンの設定日が到来したら、判定を実施します。

利用方法
①品質基準登録
 マイルストーンを利用する前に、品質基準を登録する必要があります。
 過去プロジェクトで失敗の要因になった事象を登録するのが一番手っ取り早い作成方法です。
 ドメインマスタから品質基準登録しておけば、そのドメインを指定したプロジェクト全てに初期展開されプロジェクト毎に作成する必要はありません。
 受託開発(ウォーターフォール)での品質基準の一例を記載します。
 
1.要件定義完了
 →当該業務プロセスの新システムにおける位置づけが明確であり、業務の分析範囲が妥当であること
 →システム化の目標が明確に記述され、プロジェクト・オーナーや利用部門との合意がなされていること
 
2.基本設計完了
 →画面遷移図、状態遷移図がフェンスチャートなどのダイアグラムにより作成され、検証済みであること
 →基本設計書については、有識者またはPMを交えた品質の検証がなされていること
 
3.詳細設計
 →詳細設計での未決・保留事項がすべてリストアップされ、かつ早期解消のアクションが定められていること
 →基本仕様書で識別された処理内容やデータと詳細仕様書上に反映された処理内容やデータとの間で関連がとれていること
 
4.PG&単体テスト完了
 →基本設計書/詳細設計書に対する変更管理/構成管理が正しく実施されていること
 →詳細設計書で識別された機能とプログラムとの間で関連がとれていること
 →結合テストの環境およびテスト・データの準備が整っていること
 
5.出荷判定基準
 →納品物の作成はすべて完了しているか?
 →社内規定もしくは、顧客指定のフォーマットを使用しているか?
 →ドキュメントに記載された機能・要件はすべてプログラムに盛り込まれているか?
 
6.サービスイン判定
 →今後の体制が明確になっているか?今後の契約が明確になっているか?
 →スムーズに運用(本番稼動)できる目処は立っているか?
 →課題管理表の課題に対する対策処置はすべて完了しているか?

上記例を画面に登録しておくと、マイルストーン設定時に自動で展開されます。

②マイルストーンタイプ設定
 マイルストーンの種類をマスタ登録します。
 社外・社内や出荷判定などの分類を登録しておきます。
 マークや色を設定しておくと、ガントチャート上に設定した時に表現されるので便利です。

③マイルストーン設定
 指標の登録が終わったらプロジェクトに展開します。
 ガントチャート上のマイルストーンを設定したい工程もしくはタスクを左クリックしてコンテキストメニューからマイルストーン設定をクリックします。

マイルストーンの設定画面で、情報を登録します。
・マイルストーンタイプ:マイルストーンタイプ設定で登録したタイプから選択します
・マイルストーン名:設定したマイルストーンの名称を変更できます
・予定日、実績日:予定日と実績日を登録します。登録すると後ほど一覧で確認可能です
・品質評価実施チェック:ONにすることで、品質指標が利用できます

④マイルストーン設定
 登録したマイルストーンは一覧画面から確認出来ます。
 品質評価の(新規登録)からリンクして評価画面に遷移します。

 品質基準名を選択するとマスタ登録した統一指標が明細に展開されます。
 例は基本設計完了時の指標になります。
 実際のプロジェクトでは、基本設計→詳細設計への工程の切り替わりのタイミングでプロジェクト関係者(PL・PM)と部門長、第三者部隊(品質管理部隊やPMO)が集まり次工程に進行して問題無いかを指標を見ながらヒアリングします。
 ヒアリングの結果は評価・コメント・課題および対策欄に記載していきます。
 全ての指標が「OK」もしくは「OKになる目処がついている」もしくは「対象外」となるまで、次工程に進むことは出来ません。
 そのため打ち合わせには権限のある部門長などが参加しプロジェクトメンバに対して改善指示をすることが重要になります。

今回ご紹介したマイルストーン機能は、定期的に指標を見直す必要があります。
プロジェクトの数が増えた分だけ、リスクや失敗要因は増えていきますので年1回程度指標を見直し「育てていく」事が重要になります。
同じ失敗を繰り返さない為に、OBPMのマイルストーン機能をぜひご活用ください。