OBPMでプロジェクト別の採算管理は実施していますか?

この記事を読んでいる方で、YES!と答える方がいるのなら、それはとても望ましいことです。
今回はプロジェクト別の採算管理方法と採算状況の見方について知りたいという意見をたくさんいただいたので、紹介します。

【プロジェクト別の採算管理は何のために実施するの?】

1.プロジェクトの進行に応じた毎月の想定利益を管理するため
2.プロジェクトの検収時点の予定利益を管理するため
3.プロジェクトにかかった原価を管理するため

【プロジェクト別採算の管理方法について】

1.採算状況のシミュレーションをしてみる!

2.採算計画の見直し(1)

2.採算計画の見直し(2)

【採算の見方】

1.はじめに~プロジェクト別採算管理について~

プロジェクト別採算管理では月別、原価分類ごと(労務費、外注費、経費、材料費等)に予定原価および実績原価を管理します。
プロジェクトの検収時点の予定利益を管理するとともにプロジェクトの進行に応じた毎月の想定利益を管理することができます。また毎月の想定利益は契約金額(受注金額)を毎月の原価進捗率(或いは作業進捗率) に応じて売上計上することで計算します。

※この毎月の売上はプロジェクト管理上の売上であり、OBPMでのみの管理になります!

2.労務費、固定経費、共通費、販管費の見方について

プロジェクトの新規登録時、「労務費、固定経費、共通費配賦額、販管費」を
【リソースヒストグラムの「工数」】×【社員ランク別設定の「原価項目別標準原価」】 から算出し表示します。複数プロジェクト存在する場合は、プロジェクトの入力された工数の割合に応じて、「労務費、固定経費、共通費配賦額、販管費」の金額が按分されるようになります。
※「労務費、固定経費、共通費配賦額、販管費」がプロジェクト別採算上のどこに表示されるかについては、以下の赤枠を確認してみましょう!

3.後原価の見方ついて

プロジェクト登録にて「保証期間」を指定している場合は、原価配賦処理を実行すると「保証期間」中 の原価実績が計上され表示されるようになります。
よって、最大で開発予定期間(自)~開発予定期間(至)+保証期間分までが表示されます。

4.「粗利」と「営業利益」の見方ついて

①粗利の計算式
売上 - 原価(労務費、固定経費、変動経費、材料費、外注費、共通費配賦額)

②営業利益の計算式
粗利 - 販管費

5.「進捗率」の見方ついて
OBPM では、売上金額計算の際の進捗率として、以下の3パターンに対応しています。

①原価比例法
発生原価の実行予算に対する割合に応じて売上を計上する方法です。

  【計算式】
(原価比例)進捗率 = (実績発生原価 - 販管費)/(実行予算 - 販管費)

②EVM 法
EVM(Earned Value Management)により管理しているプロジェクトの進捗状況に応じて売上を計上する方法です。※OBPMでは、進捗報告登録の「進捗率」がそれに該当します。

 【計算式】
(EVM)進捗率 = 月次進捗報告の「進捗率」

③低価採用法
「原価比例法」と「EVM 法」で低い方の進捗率を採用します。

まとめ
 プロジェクト採算の見方について少しはイメージすることができましたでしょうか!?

この見方を理解することで、進捗やコストに対する意識や見方は変わってくるのかと思います。また上記の考察のように、OBPMのプロジェクト別採算では、かなり細かな視点で管理することができるためすべてを網羅することは正直言って大変です。(OBPMユーザーの中で、「管理費」まで管理されているユーザーはごくわずかです)
そのため一番わかりやすい観点で見ていくとすれば、以下の2点が理解しやすい、管理しやすいという点でお勧めできます!

「月中時点で、コストはあとどれくらい使えるのか?またどれくらい超過しているのか?」
「立てた予定(実行予算)に対しての実績(コスト)はどうなっているのか?」

もちろんこれらの内容をすべて網羅して管理したいというのであれば、「粗利・営業利益は〇%以上出す!」「原価の発生はいくらまで!」という明確な目標をもとに管理をすることも良いのかもしれません!