≪概要≫

あまり使っているという声が聞かれないOBPMの「分析レポート」機能について、その使い方と「何が見れるのか?」「特に埋もれがちなグラフ」について、1本ずつ紹介、順次解説しています。
今回は2本目「部門損益 見込/実績」レポートです。
「これは何か?」、簡単に言うと、
 「検収する(した)売上」と「採算見込の利益」の2つをセットにして、
 「検収月に」プロットするレポート
というものです。
「部門別プロジェクト採算照会」画面のアレンジ版ともいうことができ、
「各部門階層での集計表示」と「月ごとの前年度対比表示」に対応しています。

≪詳細≫

今回も細かい解説は後にして、まずは実際にOBPMで自社(自部門)のレポートを見る方法を記します。基本的な操作手順は次のとおりです。

このレポート(グラフ)には何が表示されているのでしょうか?
冒頭で、このレポートのことを、
 「検収する(した)売上」と「採算見込の利益」の2つをセットにして、
 「検収月に」プロットするレポート
と書きました。
「検収する(した)売上」を棒グラフで、「採算見込の利益」を線グラフで表しています。その2つが1セットで、前期(昨年度)データを青色で、今期(今年度)データを赤色で表示しています。

より詳しく理解するための要点(ポイント)は次のとおりです。
◆ 現時点の「検収予定額(検収額)」を「売上」として表示します。
◆ その売上と「プロジェクト別採算登録」画面の「見込原価」から「利益」を算出し、表示します。
◆「見積」を基に表示するものではありません。見積が無くても表示できます。
 ※他の「当初の見積」を使うレポートは、見積が無いと表示できません。
◆ プロジェクト別の内訳表示はできません。集計グループ単位の分析を想定したものです。
◆「部門別プロジェクト採算照会」画面の「進行」タブ「検収」タブに相当するものはありません。「計上」タブ相当の表示のみです。
 ※「計上」タブでは、「進行基準」のプロジェクトは「進行基準の内容」を表示し、「完成基準」のプロジェクトは「完成基準の内容」を表示します。

「部門別プロジェクト採算照会」画面と本レポートとの、表示内容の相関は次のようなイメージです。

表示される内容から、このレポートは、次のような業務要件向きのものではないかと思われます。
◆ いわゆる「部門別損益計算書」的なもの。
◆ 売上と原価を部門別に算出し、部門別の貢献度を把握して効率的な経営を課題とする経営層の視点。 一般的な「部門別損益計算書」では原価を「固定費」と「変動費」に分解できることが望ましいとされます。
  ※固定費(売上に関わらず発生する費用、労務費、本社費等)
  ※変動費(売上に比例して増減する費用、材料費、販売費等)
  ※固定費率の高い部門の売上を伸ばせば利益改善がより見込まれる
本レポートは、変動費の要素が大きくないIT業界を想定したものなので、そこまでの機能はありませんが、「販管費」による「粗利」「営業利益」の切替、分析は可能となっております。

興味を持たれた方は是非、利用してみてはいかがでしょうか。