≪概要≫

あまり使っているという声が聞かれないOBPMの「分析レポート」機能について、その使い方と「何が見れるのか?」「特に埋もれがちなグラフ」について、1本ずつ紹介、順次解説しています。
今回は4本目「問題プロジェクト発生状況」レポートです。

「これは何か?」、簡単に言うと、
 「見積もった利益」から「採算見込の利益」が低下している
 「問題プロジェクト」の「利益低下額」を
 「最終検収月にまとめて」プロットするレポート
というものです。
基となるデータは3本目の「プロジェクト利益予実推移」レポートと同じですが、見る角度、強調する点が少し異なる、というレポートです。

≪詳細≫

今回も細かい解説は後にして、まずは実際にOBPMで自社(自部門)のレポートを見る方法を記します。基本的な操作手順は次のとおりです。

このレポート(グラフ)には何が表示されているのでしょうか?
冒頭で、このレポートのことを、
 「見積もった利益」から「採算見込の利益」が低下している
 「問題プロジェクト」の「利益低下額」を
 「最終検収月にまとめて」プロットするレポート
と書きました。
「利益低下額」を棒グラフで、その「損失率」を線グラフで表しています。
その2つが1セットで、前期(昨年度)データを青色で、今期(今年度)データを赤色で表示しています。

より詳しく理解するための要点(ポイント)は次のとおりです。
◆「問題プロジェクト」とは「要注意(ビックリマーク付)」プロジェクトのことではありません。
◆「当初の見積」が存在するプロジェクトを広く対象として「利益低下額」を集計します。
◆「利益低下額」は計算結果がマイナスの金額のみ集計します。利益がプラスのプロジェクトで相殺はしません。
◆「確度」状況のプロジェクトは出力対象外です。
 対象は「先行着手」「受注」「完了」「中止」のプロジェクトです。
◆「分割検収」や「毎月検収」のプロジェクトも「最終検収月にまとめて」プロットします。
◆「見積もった利益」の根拠(どの見積?)は 、マニュアル「4.1 『当初の見積』とは」に記載があります。

例えば、当初の見積では利益額¥5,000(利益率 50%)の最終検収予定があるとして、
採算見込(実績)では利益額が¥5,000 から¥3,000に減少(利益率 50% → 30%)の場合、
グラフ化されるイメージは次のとおりです。

表示される内容から、このレポートは、次のような業務要件向きのものではないかと思われます。
◆ 部門の採算状況(利益低下や赤字)を把握、監視すべき部門長やPMOの業務。
◆「利益低下や赤字」を重要視し、そこにフォーカス、クローズアップして管理したい。

本レポートは、前述したとおり、特に「利益低下や赤字」を重要視し、それらに限定して集計、強調表示を行うものになっています。
興味を持たれた方は是非、利用してみてはいかがでしょうか。