プロジェクトを成功させるために一番大事なフェーズはどこでしょうか?
結局のところ、重要なのはプロジェクトのスタート時点、「計画」ではないでしょうか。
スタートが失敗していると、間違った方向でプロジェクトは進んでしまうため、あとから軌道修正する際にコストが跳ね上がります。
したがって、成功プロジェクトを増やしていくためには、万全なプロジェクト計画が欠かせません。
万全なプロジェクト計画を行うためには
- プロジェクトの計画力を上げる
- プロジェクトの計画を第三者がチェックする
- プロジェクト振り返りを行い、今後のプロジェクト計画に活かす
という取り組みが必要となってきます。
ここではOBPM導入のお客様における上記に関する取り組み事例をご紹介します。
■プロジェクトの計画力を上げる
[テンプレートの用意]
例えば新任PMなどは、プロジェクト計画を行うといっても、何をやればよいか、どのようなドキュメントを用意すればよいのかわかりません。そういった時に、過去の実績をもとにしたテンプレートがあると立ち上がりが早く、新任PMも安心して学びながらプロジェクトを開始でき、それとともにプロジェクト計画の際の属人性をなくしていくことが可能となります。
No. | 内容 | お客様の声 |
1 | ドメインによるテンプレート用意 | テンプレート用意することで、若手でもやるべき作業がある程度網羅できる。細かすぎると現場で考えない、あらすぎると精度があがってこない。OBPMのドメインにあるWBSや評価基準などのメンテナンスは各部現場に任せているが、プロジェクト管理が出来る人間がメンテナンスし、若手がそれを利用する、教科書的な使い方も出来ている。 |
2 | 過去PJのコピー禁止 | 過去案件のコピーはNGである。できないPMだとコピーしたフォーマットに従って書くだけで、落とし込みきれないため。 |
3 | PMBOK準拠 | プロジェクト計画書の内容について計画書の内容をPMBOKのプロセスと合うように記載している。また、プロジェクトの目的の内容をきちんと記載すること重要であり、大きな視点(社会にどのような良い影響を及ぼすか)からも記載するように工夫している。 |
[計画の際のノウハウ]
テンプレートともに、過去のプロジェクト計画の実績をもとにしたノウハウも必要となってきます。過去の経験を、将来のプロジェクト計画に活かすことで、プロジェクト計画は向上していきます。
No. | 内容 | お客様の声 |
1 | 客先仕様の明確化&共有 | 客先仕様を明確にする。なにを根拠に客先仕様書を作成しているかが重要であり、確認している。また、その内容がメンバー間できちんと共有されていることも非常に重要である |
2 | アジャイル開発の際はマイルストーン重視 | アジャイル開発の場合は、計画時には特にマイルストーンを気にしている。 |
[メンバの教育]
計画の際のテンプレート、ノウハウは実際に社員に共有されていなくては意味がありません。プロジェクト計画に必要なことは、教育という形で共有することも必要となってきます。
No. | 内容 | お客様の声 |
1 | 説明会の実施 | プロジェクト計画書説明会を開いている。全員対象。全社PMOがPM強化塾を開いていて、計画編、リスク管理、ガイドを作って社員教育している。 |
■プロジェクトの計画を第三者がチェックする
[監査・チェック]
PMが作ったプロジェクト計画、誰もチェックしないと客観性がなく、精度が低いものとなる可能性があります。そうならないためにも第三者の目でチェックを行い、精度を高める必要があります。
No. | 内容 | お客様の声 |
1 | 案件申請のWF化 | 案件申請を出してもらう。目的や人件費などの積算表をWFにて申請して確認。 |
2 | 社内回覧の実施 | 社内回覧を実施する等精度を高めている。 |
3 | 社内審査会の実施 | 社内審査会があって計画審査がある。計画に必要なものが全部そろっているかをチェックする。 |
■プロジェクト振り返り
[振り返り及び今後へのフィードバック]
プロジェクトはやりっぱなしではノウハウが蓄積されません。プロジェクトの途中や完了時など、節目節目で報告会などを行い、今後のプロジェクト計画に活かせるようフィードバックを行うことが重要です。
No. | 内容 | お客様の声 |
1 | プロジェクト完了報告会実施 | 必ずプロジェクト完了報告会を実施している。プロジェクトの評価項目を記載したExcelを使用して評価を実施している。報告結果から必要に応じてOBPMのドメインに反映している。 |
2 | プロジェクト完了結果の共有 | 各工程で摘出した不具合とその種類を集計した上で是正処置検討会やプロジェクト報告会を実施し、うまくいったこといかなかったことをプロジェクトを跨いで共有している。 |
3 | プロジェクト予算と実績の確認 | プロジェクト予算実績の確認を行っている。当初の実行予算に対してどれだけ利益が生まれたのかをチェックしている。 |
■まとめ
プロジェクト計画力というのは一朝一夕で飛躍するというものではありません。
上記のような取り組みを継続的に行うことで一歩一歩階段をあがるようにプロジェクト計画力というのは向上します。
経営層、PMO、現場メンバが一丸となって目的を共有し、長い目で取り組みましょう。